【ブックカーバー・チャレンジ】
では、ありません。
本の内容にふれないで本を紹介して、何か意味があるのでしょうか? 普段アウトプットの習慣がない人が、練習的にはじめる。最初の一歩としてはいいかもしれません。
しかし、アウトプット力を磨くという意味において、その内容を徹底的に深めながら、本の感想、紹介を書いていかないと、私は真のトレーニングにはならないのではないか、と思います。
ということで、やりたい人は自由にやればいいし、他の人の本のセレクションに人間性が現れて、おもしろいのもあります。ただ、私は「本の内容を紹介しない」というのは、あまりにもつまらなすぎるので、「ブックカーバー・チャレンジ」には参加しません。
敢えて、「ブックカーバー・チャレンジ」に異を唱える意味も見込めて、「本の紹介はこう書くのだ」という見本にるような紹介文を書いてみましたので、お読みください。
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『パーキー・パットの日々』
コロナ時代を予見するディックの傑作
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1週間ほど前から、
どうしても読み直したい小説があった。
それは、
フィリップ・K・ディックの
『パーキー・パットの日々』である。
本の発行日から推測して、
1996年に読んだらしい。
フィリップ・K・ディックといえば、
映画『ブレード・ランナー』の原作となった
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』。
『トータル・リコール』
『マイノリティ・リポート』の原作などで有名な
SF小説家であり、
樺沢の最も好きな小説家の1人である。
ディックは、
重度のアルコール依存症、薬物依存症をかかえ、
重度の「妄想」を持っていたという。
彼の作品に登場する、
「自分は本当の自分じゃないかもしれない」
という考えは、フィクションではなく、
ディック自身にとっては、
ノンフィクションであったかもしれない。
ディック作品の短編で、
最も好きな作品が、
この『パーキー・パットの日々』だ。
奇妙きてれつなこの作品に、
はかりしれない魅力を感じる。
なぜ、自分が本作に魅了されるのかが、
24年前には、今ひとつ、わからなかった。
しかし、
今、コロナ時代に本作を読み直して、
その謎が完全に解けた。
怖ろしいほどに未来を予見した本作に、
これぞ「SF小説」という、醍醐味を感じるまだ。
あらすじは、こんな感じ。
火星人との水爆戦争で、人類はかっての豊かな生活を奪われた。
人々は、地下シェルターに暮らし、
空から投下される援助物資で生活している。
外に出られないわけではないが、
防護服が必要で、援助物資をピックアップする以外は、
まず外出することはない。
地下シェルターで人々は、
退屈な時間を何をしてすごしているのか?
パーキー・パットという女の子の人形と
古き良き時代(50年代、60年代頃のアメリカ)の街の
模型を使うシュミレーションゲームだ。
「パーキー・パット」というゲーム、
本書をいくら読んでも、
どんなゲームなのかがイメージしづらいのだが、
リカちゃん人形とリアルなジオラマを使った、
「人生ゲーム」のようなもの、と考えるといいだろう。
そして、人々の「パーキー・パット」への
熱中、傾倒ぶりが半端ない。
彼らにとっの唯一の楽しみ。
生きがいと言っても過言ではない。
カリフォルニア州に住むノーマンは、
ある日、他のシェルターで
「コニー・コンパニオン」という別な人形を使った、
ゲームが流行っていることを知る。
「コニー・コンパニオン」は、一体、どんな顔しているのか? パーキー・パットとは、どうちがうのだ?
そうだ、「コニー・コンパニオン」を一度プレイしてみたい!
圧倒的な、
好奇心にかられるノーマン。
そして、25キロも離れた別シェルターの住人と、
彼らにとって「最も大切なもの」
「パーキー・パット」と「コニー・コンパニオン」を賭けた
勝負が行われることになる・・・。
という展開である。
多くの小説は、パターンを踏襲している。
ほとんどの話は、一度はどこかで読んだような話だが、
この『パーキー・パットの日々』は、類型不能である。
こんな小説は一度も読んだことはない。
唯一無二である。
展開も予想不能。
そして、ラストも予測不能である。
最後まで読んでも、
「はあ?」と疑問しか残らないのだ。
この小説の魅力は、
そう、シュチエーションのおもしろさだ。
「パーキー・パット」への熱中は、
過去への回顧であり、現実からの逃避だろう。
外出不能となった時代。
膨大な時間を、何をして過ごせば良いのか?
もっと建設的な時間の使い方が
あってもいいのではないか?
まさに、外出自粛で外に出られない今の私たちに、
フィリップ・K・ディックが問いかけている。
彼が、このコロナ危機の時代を予見したかのように。
水爆戦争による大気汚染と原因こそ違えど、
「人類が自由に屋外を闊歩できない時代が来る」
という点において、怖ろしほどに未来を予測している。
そして、外出自粛中に、ゲームやテレビなどで、気を紛らわらようとする我々は、
「パーキー・パット」という、どうみてもおもしろそうには思えないゲームに熱中する人々と、何も変わらないのだ。
本作における唯一の希望。
それは、ノーマンの息子が語る。
「人形を使ったゲームなんかのどこがおもしろいんだろう?」
という指摘だ。
そう、子供たちは、
「パーキー・パット」に全く無関心なのだ。
つまり、「過去」ではなく
「未来」を向いて生きている。
未来に希望を持てない絶望の時代であっても、
現実逃避なんかしてないで、
もっと他にやることがあるんじゃないのか?
「パーキー・パット」に興じる人々の姿を
精緻に描いただけのシンプルな本作だが、
そこにはかなりの「皮肉」がこめられていて
考えるほどに、テーマがグサリと刺さるのだ。
24年前、
最初に読んだときは全く違った
『パーキー・パットの日々』がそこは存在した。
さて私は、この「外出自粛」の膨大な時間に、
何をして過ごしているだろうか?
さしづめ、『執筆三昧の日々』だ。
これは多分、
パーキー・パットに没頭するよりは、
ましな時間の使い方と言えるだろう。
追伸
『パーキー・パットの日々』は、絶版になっているので、
紙の本では読めない。
たったの47ページなので、あっという間に読める短編だが、
一生忘れられないようなインパクトを持った作品である。
Kindle電子書籍『変数人間』の中に納められているので、
この「ステイホーム週間」中に読んで欲しい。
『変数人間』(フィリップ・K・ディック著)
https://amzn.to/2xp6lzL
なぜって、「今の環境」で読むことで、
この作品の魅力が最大化するからだ。
ただし、
「『パーキー・パットの日々』のどこがおもしろいんだろう?」
という突っ込みはなしで、お願いしたい。
私の「最も好きな短編小説」なのだがら、
一筋縄でいく話を選ぶはずがないじゃないか。
同時也有6部Youtube影片,追蹤數超過1,420的網紅afratubetube,也在其Youtube影片中提到,エイリアン ひょっとして エイリアンのしわざ ひょっとして エイリアンのしわざ まさか まさか まさか 終わりが見えへん マジでフィクション 時はむちゃくちゃな ノンフィクション 出回るデマに 流されるな もしかしたら 怪しい罠 嘘がホンマ ホンマが嘘 どっちにしろ ソースはどこ 現実は小説よ...
ノンフィクション 小説 在 Paint Creator minami Facebook 的精選貼文
無人島に生きる十六人
須川邦彦
新潮文庫
十五少年漂流記が好きだと
話したら貸してくれた本。
明治31年、太平洋上で
座礁したボートに乗っていた
16人の日本男児の話。
携帯もなんもあるわけない
明治の話。
その明治の勇姿だからこそ
日本男児という言葉が
しっくりくる気がする。
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現実は小説より 奇妙礼太郎
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宇宙からの メッセージ
読めない謎 ストーンヘンジ
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明日はどっち 僕ら迷子同士
明日はどっち ゆれる影法師
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雲の隙間 肌の色彩
数億光年 彼方から
覗けば この水の星は
どう言う風に 映る
パンデミック エピデミック 嘘デミック
でもパニックになるメカニズム
メロディリズム この気持ちがリーズン
めげずに待ってる次のシーズン
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誰が思ってた
ちょっと待って
最前線に立ってる
ヒーローたちに拍手送ろう
雨が谷を深く削りすべて洗い流してくんかな
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テレビ番組『世界一受けたい授業』でも取り上げられた話題のノンフィクション!ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を動画で書評しました。英国の中学に通うボクが目の当たりにした貧困、人種差別、ジェンダーなどの社会問題を母である著者と一緒に考え乗り越えていく成長物語です。
<目次(チャプター)>
0:00 オープニング
2:05 著者紹介
2:54 内容紹介
4:12 特徴・感想1 まるで小説
7:50 特徴・感想2 英国の教育事情
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